笙・篳篥・龍笛を作ってみよう!

笙吹きロバの はちゃめちゃ楽器制作日誌

その2  2008.6〜


おことわり

ロバは雅楽の楽器師ではありません。 

このページはあくまでも チャレンジ のページです。

ですからこれが楽器の正式な制作行程ではありません。

しかし瞬間接着剤やカシューなどを一切使用せず

漆、膠などの昔ながらの物で作ってみたいと思います。

 

ロバの雑記帳    笙のページ 

その1     


屏上飾り作り

古い楽器に付いているもの これを見本に

結構時間がかかります

粗削り


煮竹の楽器修理用に煮竹を

作ってみようとしました。

お歯黒で竹を染めてみました。

お歯黒で竹は黒く染まりましたが、表面だけです。

真ん中の竹 竹の表皮を残したものは染まりにくい。

実際の楽器の煮竹は中まで黒く染まっています。

どうやったら中まで染めることができるのだろうか・・・・?

 

 


漆乾燥用の簡易回転装置を作りました。

電動ドリルの回転を調整して、ゆっくり回転に。

回転時間を間欠タイマーで調整します。

 

間欠タイマー 数秒間通電し、数十秒ストップ・・・・

 

この装置により、漆の乾燥チジミを軽減します。

 


 

SABIAN のシンバルでリードを作ろう

 

このシンバルは初めて。

感じとしてはジルジャンと同じ具合だ。


友達から頂いた燻し竹で作った楽器。7つ節だ。

つたない蒔絵だがちょっと高級品に見える。

2014.7


 

 

楽箏の柱の修理

象牙加工

オークションで買った象牙

これに軸を挿して麦漆でくっつけた。

これを綺麗に削って形を整える

2014.6


箏柱の修理

 

天理高校の雅楽班より

楽箏の柱(じ) の修理を頼まれました。

上の白い部分が取れてしまっている。

この白い部分が何で出来ているのか?

象牙かそれともプラスチックか?

うっすら筋というか層みたいのが見えるので多分象牙だろう。

燃やすとタンパク質を燃やす匂いがする。

(牛乳から作られるガゼインというプラスチックも燃やすと同じような匂い?)

柱の 又部分 の白いのは層や筋が見られないので

多分プラスチックだろうと思う。

下がプラで上が象牙? 

 

この象牙をどこから入手したらいい?

yahooのオークションでとりあえず落札。

象牙って相場が高いですね。

さすがワシントン条約で取引禁止だけある。

2014.5


頭の製作

 

今回はトチの木を使ってみた

 

吹き口部分 二つを麦漆で接着

 

本体に麦漆で接着

中外に生漆を塗り木地固め

これに補強のための布着せを施す。

これからが大変。

2014.5


 

鏡の虫食い

 

三つの穴が虫に食われている。 樹脂を詰めて補強しました。


一応出来た!

2013.11


 

銀の甲丸線に節、芽の部分をロウ付け。

帯びの彫刻は難しい!

刻印を打ってみました。

 

2013.11


頭の皮むき

 

笙頭の塗り替えをたのまれ、塗り替えたのだが、

多数のひび割れが出だした。

何か変な下地だけれど、まだしっかりしていると思い、

ひび割れだけを修理し漆を塗ったのだが、それがいけなかったみたい。

再度下地をすべてとっての作業。

木地には漆が塗ってなく(木地固めがされてない)、布着せの布は膠(にかわ)か、のりで木地に張り付けてあり

下地もたぶんカシューか何かの、いわゆる「まがい下地」だった。

木地と塗りの間に水をたらし、のりを柔かくして皮を剥いでいく

といった作業をした。


刻印

 

SILVERの刻印(こくいん)を買いました。

これで何するのと、お思いでしょうが、笙の銀金具に刻印を打つのです。

1mm×5mmです。


布団たたき

 

篳篥の世目の材料に、籐で出来た布団たたきを買いました。

試算では約160個の世目が作れます。

 


 

蘆舌出来ました

 

一応、5個出来ました。

まだまだ作る気でいますが、

これをよく鳴るようにするまでが大変です。


 

世目作りました

いっぱい作ったら、どれか合うでしょう。


ヨシとの戦い

ヨシズ張の作業をしています。

一日中です。

昼はヨシズとの格闘、

夜は篳篥リードのヨシと格闘してます。


ぼうし作り

 

篳篥のリードに着ける帽子を作りました。

材料 ひのき

一度にいっぱい作っています。

新兵器です。

先端工具をプロクソンの小型ルーターに付けて

作りますと簡単にできます。

スチールカッター 14mm。  

もう少し大きいのがあったらいいのにな。

 


 

磨いてます

 

笙の帯や口金を磨いています。

この磨き作業というのは結構楽しいのですが、

鏡面磨き、結構むつかしいのです。

小さい擦り傷がなかなかとれない。

ついでに心も磨いています・・・・・

2013.7


桐箱

 

掃除していたら結納用に使われた桐箱が出てきました。

これに漆を塗って、篳篥の管箱を作ろう。


トクサ

 

トクサという草をヤスリ代わりに使ってみた。

篳篥のリードを削るのに、昔の先生方は良く使っていたのを見たけれど

使ってみて、けっこう削れると思った。

▲乾燥させたトクサ 

 

草なのになぜペーパー代わりになるのだろうかと調べたら、

草が、自身の身体をしっかりするために、また硬くして虫に食われないように

するため ガラス質で身を覆っているためだそう。

ガラスなのでけっこう硬く、銀の表面の荒磨きにも使える。

スティック状なので結構使いやすい。

紙ペーパーでいうと 粗さは #600 ぐらいかな。

紙ペーパーの無かった昔は、この草が重宝されたようだ。

どこが葉っぱなのか、茎なのかの区別がない変な植物。

観葉植物としてよく見かける。

 

(「砥草(トクサ)」の意) トクサ科の常緑シダ植物。

茎は珪酸を含み堅く、茎の充実している秋
に刈り、物を砥ぎ磨くのに用いる。『広辞苑』

 

これからも使ってみよっと!

 


頭の穴あけ

 


 

籐(ラタン)を試に買ってみた。

約1500円  

面取りが施してある。

何に使うかって?

篳篥に巻くんです!

 


 

篳篥 蘆舌作り

 

せっかく蘆舌製作講習会に参加したので、

忘れない先に

何個か作ってみよっと!

材料となるヨシ。 宇治川産だそうだ。

ヨシを切断する。直径約1p、長さ6p。

太さが大体決まっているから、3m程のヨシであっても、

1本から数個しか取れない。

ヨシの中を掃除するブラシ。

100均で購入。ブタ毛で出来ている。

こりゃいい!

皮を剥ぐ。

和紙を巻き、栓をして、水に漬け・・・

ひしぎ作業。

熱源にキャンプ道具。カセットガス使用。

このヒシギ作業は梅雨時が一番いいそうだ。

2013.6


 

笙吹きロバ1月より出張につき

3カ月程、当ページ更新できません。

 

作りかけの楽器もとうとう年を越してしまいました。

なかなかはかどりませんが、

次回から作るものは素人の工作を脱却して

一級職人の匠の技に近づけたらいいなと思っています。

2013.1.1


漆が乾かない

 

笙の竹管の修理。

漆が乾かないのです。

温度、湿度も一応調節しているのですけれど

10日間 漆室に入れても乾きません。

それも生漆(きうるし)。

こんなこと初めてです。

漆の消費期限が切れたのかな?

なにか混ざりものが入っているのでしょうか。

オークションで買ったものだけど、

ちゃんとした店で買わんとだめだと思いました。

 

*同じ漆を6月に使ってみると、よく乾く乾く

漆のせいでなく、環境(温度、湿度)が悪かったようです。

2012.12


 

龍笛頂きました

 

知り合いの方から、使わないからと龍笛を頂きました。

 

60年前に買ったそうです。

籐巻の部分が何か所か浮いていました。

反射板は和紙のみで、ロウは使われていませんでした。

こんな笛ですけれど、よく鳴ります。

これくらいなら自分で修理できます。

2012.12


 

肉厚の無い竹を削っていると

よく大きな穴があくのだが、それを塞ぐのに以前は和紙を漆で張っていたのですが

最近は竹を張っている。

鋳掛屋(いかけや)みたいに、竹片を穴に合わせて削り、それを膠(にかわ)で張りつける。

その上に和紙を漆で張り修理している。最近その鋳掛技術がうまくなった。

上記写真の煮竹は縦に割れて2つに分離していた竹管の修理。

制作中の楽器。他に2管ある。

年内に完成すればいいのにな・・・・

 


 

鞨鼓の革

鞨鼓の革の裏側ですが、いったいどういう仕組みになっているのでしょうか。

革の縫い目が見当たらないのです。

革を鉄の輪に巻いて作られているのでしょうが、いったいどこに

縫い目があるのでしょう。

白い胡粉の下にそれがあるのでしょうか?

胴の中。

もっと太鼓みたいに広い空間があるのかと思っていましたが

いがいと狭いのにはびっくり。

小鼓みたいだ。

 


酸洗い

 

今回初めて “酸洗い” というのをやった。

以前はヤスリ等で削っていたが、

こんなにきれいになるとは思わなかった。

黒い酸化膜、フラックス痕をきれいに除去し、

銀が白くなった。これはいい。

 


 

帯、口金作り

帯の竹の節、芽の部分を成形するのに銀の甲丸線に銀板をロウ付した。

このロウ付け作戦、意外と邪魔くさかった。湾曲してるからな。

これを削って節や芽を成形する。

口金の縁の部分をたたいて作った。鍛金法というらしい。

一枚の銀板を叩いてヤカンを作る技法がある。

この縁ぐらいは初歩中の初歩だな。

このやり方、以外にいいかも。


鞨鼓の台の修理

 

脚部分の修理と漆の塗り替えです。

脚部分の横棒が破損し、それを瞬間接着剤で補強されてあった。

しかし、ほぞ部分が中途半端で固定されてしまっていた。

それに、ほぞ部分が割れを木工用ボンドで補修されてあった。

瞬間接着剤は衝撃に弱いとあったので、

コンと衝撃を与えると意外に簡単にはずれた。

もう片っ方は水分を含ませると綺麗に外れた。

 

漆は下地、上塗りがしっかりとしており、すべて剥がさなくてもいけそうだ。

綺麗にボンド類を取り去った。

力がかかる部分だけに、この横棒だけ新たに作る方がいいかなと思案中・・・

2012.7


屑銀

 

笙の銀金具を作っていると、たくさんの切り屑が出ます。

捨てるのはもったいないので、ロバは全てとっておきます。

しかしこれを溶かして再度、銀板や銀の棒にしたいのだけれど

なかなかむつかしい。

これを溶かす強力なバーナーを持っていないし、

ローラーみたいなものがいるし・・・

とりあえず銀の塊にしてあるのだけれど・・・

 


『雅楽鑑賞』に

「内側を18.5等分して17の孔をあけて、17本の管を差し込む。・・・・・

18.5等分のうちの1.5に当たる部分には孔をあけないので、・・・・・

ここに右手の食指を管の並んだ束の内側に入れて、・・・・・」

とあります。

 

ところが、1.5にあたる部分に右人差し指が入るでしょうか?

孔の直径が約8mm で 1.5とは隙間をいれて15mm(8+4+3)の隙間には

指は少し窮屈です。

 


 

今、ぼちぼち作っている笙

 

上が黒竹で下が燻竹。

根継の細い竹と本体の竹管とは生漆と小麦粉を混ぜた麦漆という接着剤を使った。

竹の組方が以前より大分ましになったけれど、難しい・・・。

黒竹はなにか、柔らかい。削りやすいが緻密さがない。

この黒竹の皮を剝こうか、そのままにしておこうか・・・。

これから根継部分の漆塗、屏上、指孔の穴開け、金具の制作、

頭の漆塗といつになったら完成するやら・・・・・。

楽器造りは根気と情熱だ!!

2012.6


 

頭の漆がボロボロ剥離した楽器を預かりました。

 

剥離しかかった漆を下地からとる作業は大変だ。

 

しかしもともとしっかり下地が塗られていなかったのか、比較的

簡単に木地から剥がすことができた。

材質はたぶん 桐(きり)。桐は柔らかくて加工は簡単だけれど強度に欠けると思う。

頭の横側を押すと何かたわむような感じ。

布着せで補強しないとバコッと陥没しそうだ。

鏡部分をよく見ると穴をあけるための補助線が残っていた。

これは面白い。どういう間隔で開けられているのかよくわかる。

2012.4


 

竽のリード  その2

 

いや〜 これは大変です。

乞の1オクターブ低いリードが出来れば

あとは何とかなると思っていたが、

なかなか難しい。

ペラペラリードならできるのですが・・・・

2枚目失敗です。

ウッ・・・ って感じ。

しっかり腰があって、よく鳴るリード が目標です。

リードがあまりにも弱い(腰がない)と息の圧力で、隙間ができ、息漏れが激しいのです。

いくら洗い替えで青石がしっかり塗られていても。

 

なんか竽という楽器が使われなくなったのもわかる気がするわ・・・・。

 


竽のリード

 

竽(う)のリードの交換を頼まれましたが、初めてです。

まず一番低い乞の1オクターブ下のリードから作ってみよう。

ついていたのが長さ24mmのリード。

低い音を出すため、腰部分が薄く薄く削られ、ペコペコという感じ。

余りにも腰がないリードでした。

乞より1オクターブ低いのに、長さが2,3mmしか違わなく、

この長さで1オクターブ下の音をだすとなれば、かなり腰部分を削らなければなりません。

長さを25mmに決めて作りました。

▲左から

笙乞リード、新し作った竽リード、もともと付いていた竽リード、材料(中国ドラ)

 

もっと長くしたいけれど根継部分の長さも決まっているし・・・・・・。

これは困りました。

 

* 竿(さお)、竽(う) ←どう違うの?


シンバル

 

知人から多量のシンバルを頂きました。

笙吹きがシンバル!? と思われるかもしれませんが

このシンバルから 笙のリード が作れるのです。

楽部の先生がジルジャンのシンバルでリードを作られたと以前不確かな話を聞いたことが有ります。

かなり以前、知人に シンバルで笙のリードを作る話をしていたのを覚えておられ

知人の知人(ドラマー)が割れて使い物にならないシンバルを捨てるというので

笙のリードの話を思い出され・・・・それがロバのところへ。

直径40センチ程のシンバルから約20管分の笙リードが作れます。

見た感じ 使えそう

何か赤っぽい

メーカーのHPを見ると 銅、スズ、に少し銀が入ってる。ジルジャンと同じだ。

 

ただ これらのシンバルがリードの材料としていいのか悪いのか分かりません。

まあ どんな音色がするのか楽しみです。

関連

2012.1  


 

次回制作楽器用の頭

 

本来ならば鏡部分も本体にくっつけて作っていくのですが、

いっぺん後からくつけるやり方でやってみよっと!。

竹管の根継を差し込み、光を当てて

 蜂巣の穴と根継の隙間を確かめようというわけ。

このアイデアどこかのサイトで見た。

一番最後に頭を完成させるやりかたです。

2011.12


 

完成間近か

 

知人から頼まれた煤女竹の笙が完成間近かです。

完成といっても、全然納得のいかない出来栄えですが

きりがないのでこの辺で・・・・

“言” の竹に注目!

 

預かった煤女竹に “立派?な枝” が残ったのがありまして

龍笛の“蝉”に使っても面白いなと思いましたが

せっかくなので笙に使ってみました。

鳳凰の翼の関節部分に生えている “風切り羽(雨覆い?)” をイメージしました。

枝が付いた笙はどこかで見たことが有るような無いような・・・。

 

鳳凰の関節部分の 風切り羽

(我が家のニワトリで申し訳ないですが)

 

音色も鳳凰の鳴き声のように 神々しく響きます。

蒔絵もいろいろやってみました、この世界は余りにも奥が深く

また凝りだしたらきりがないので、今回はこの辺で・・・・・

本物の金粉、銀粉、色漆で加飾してみました。

蒔絵レベルでいうと、まったくの初心者レベルですが・・・・

後から気が付いたのですが、琵琶弾きの図柄に 絃(げん)がはっていない!

元の信西古楽図にも無いからいいか・・・

また信西古楽図も数種類(2種類? 写本?)あるってことにも気が付きました。

古楽図に描かれている楽器を演奏する色んな人物像を

 “パクって(これって著作権に抵触?)”、

いやいや “参考にして” 笙の頭に描くってのも面白いだろうな。

2011.12


笙の頭

ほんまもんの金粉を蒔きました。

色漆で絵を書きました


 

篳篥の箱

 

リードを篳篥本体に挿したまま入れられる管箱を作りました。

作ったといっても、もとは結納用の扇子が入った桐箱でした。

ちょうどいい大きさだったので、拭き漆を施し、色漆で絵を描きました。

この花模様を知っている人は雅楽通の人ですね。

舞楽で舞人が着る装束にこの刺繍があります。

 

ロバはこの絵を描くにあたり “画期的” な方法を見つけました。

漆の器に蒔絵を施すために絵柄を転写する方法は、

これは “置き目” と言いますが、

普通は和紙に下絵を写し取り、それを漆でなぞり、

その和紙を漆の器にのせ、漆の絵柄を器に転写、

それに金粉やチタンホワイトを蒔いて・・・と

絵を転写するのに大変な作業をします。

ところが “チャコペーパー” を使うと簡単に転写できます。

このペーパーは裁縫や絵画の世界でも使われています。

カーボン紙みたいに使います。

また転写した線は水で簡単に落とせます。

特許製品でもあるこの紙で、また世界が広がった・・・・って感じです。

*チャコペーパー  ネットで検索してください

 

色漆で絵をかいて、それを乾かす時、

その時の環境で色の発色が違ってくるのです。

どうやら湿度が高すぎると色が黒っぽくなってくる気がします。

2011.11

 

 

プリントごっこ その後

信西古楽図(しんぜいこがくず)の琵琶の絵柄を「プリントごっこ」で笙の頭に転写しました。

実際のところ大変でした。

なぜかというと笙頭は曲面ですので、平面だと簡単にできるのですが・・・・

下欄のプリントごっこの製版、琵琶の図が実は楽器の向きが逆なんです。

それに気づかず笙頭に転写し、金粉まで蒔いてしまってから気づいたんです。

本物の金粉でしたからショックでした・・・

 

それから気をとり直し再度やってみました。

蒔絵の世界は凝りだしたらきりがないので、今回はこれくらいでおいておこうかと。

 

 

 

プリントごっこ

 

笙の頭に蒔絵を施すべく、プリントごっこを使ってみた。

倉庫に眠っていたのを引っ張りだしてきて久しぶりに使ってみた。

ランプとハイメッシュマスターはオークションで。

プリントごっこ本体は製造中止になったが、消耗品は販売されている。

しかし高い!!

年賀状のこの時期ランプは4つ(2回分)で800円ほど、ハイメッシュマスターは2枚で700円程。

オークションでも結構高く取引され、入札件数もけっこうある。

いまだに愛好者がいるということだ。

 

このプリントごっこを使って細かいイラストを笙の頭に転写してみようとたくらんでいる。

うまくいくだろうか!?

笙銀金具

銀は950銀を使用。帯の節芽の部分は銀粘土を使用。

 

銀金具をイオウ成分の入ったいぶし液に漬け、黒く変色させた。

何か雰囲気が出てきた。

 

言、也の屏上飾り

 

銀板から飾りを作るのですが、

結構細かいので時間がかかります。

たったこれだけの物ですが

まともに作ったら一日仕事です。

 

荒削りが終わった状態。

 

口金は比較的簡単です。

ただし

ロウ付け作業で銀ロウがうまく溶けてくれれば良いのですが

何かの加減でうまく溶けてくれない物もあり、

バーナーで炎をあてていると本体まで溶けてくるから

難しいところです。

逆輪つくり

 

下の板が逆輪の型。

上が銀板に写し取り穴を開けたもの。

千、也、言の各部品。

ちなみにハート形は「猪の目(いのめ)」といって日本古来の模様。

イノシシの目に似ているところから「猪の目」というらしい。

金具や古来の建築物によく見られる。

ロウ付けが終わった後の逆輪。

これを磨く。

 

江戸時代の笙

文化四年丁卯秋九月と刻まれている。(1807年 丁(ひのと)卯(う)秋9月)

従四位下行肥前守太秦宿祢廣勤造之とも。

従四位下行肥前守(ひぜんのかみ)太秦宿祢(うずまさのすくね)廣勤之(これ)を造る。

この「下行」というのが分からない。

帯には竹の小枝が。たまに見かけるが、こういう金具はめずらしい。

彫刻されているのではなくロウ付けされている。

楽器自体は煮竹のヒビだらけだが、金具類はすばらしい。

いい仕事がしてあるって感じ。

 

この小枝の部分を銀ロウで再現したいのです。

知り合いから女竹の煤竹で笙の製作を頼まれ、現在進行中。

 

だいぶん形が出来てきました。

吹き口の銀金具

銀の甲丸線に銀粘土(Artclay silver)をつけ、形を整え焼成。

銀粘土が何なのかはどうぞ検索で調べてみてください。

 

帯の本体は950銀 節、芽の部分は純銀。

 

 

この製作方は一見手抜きにも見えるが、指輪、ペンダント等の銀細工の世界では定番のもの。

かなり込み入ったものが出来る。たとえば芽の部分が竹の小枝で出来ているものなぞ。

笙につける“帯”をどうして作ろうか。

帯は単なる金属の輪ではない。

竹を模した“節”や“芽”が彫刻されている。

これが大変だ。

作り方は色々考えられる。

@銀の平角材を叩いたり削ったりして作る。 

一番まっとうな作り方だと思う。何回か作ったことがあるが結構難しい。

A鋳造する。

それなりの設備がいる。

B甲丸線に銀粘土をつけ芽の部分を成形する。

もっとも斬新なアイデア。一度やったことがある。

C甲丸線に節芽となる部分の厚みの銀板をロウ付けして節芽部分を成形する。  

 いま考えている方法。

知り合いの三味線と胡弓の継ぎ目がはずれていたので預かりました。

継ぎ目の接着は膠(にかわ)が使われているので。

 

胡弓の糸巻き部分がはずれかかっていた。

 

はずれた部分をゴム系のボンドで接着されていた。

このボンドを取り去るのが一苦労でした。

 

胴体部分に突き刺さっている部分と棹部分がはずれていた。

 

膠で接着し、ハタガネで固定。

 

三味線の棹(さお)部分が3つに分解できることを初めて知りました。

この部分は膠で接着されない。

 

膠は古来より洋の東西を問わず、接着剤として使われていて、

その接着力は現在の科学接着剤に負けていない。

ただ水分と熱に弱く、水分を含むとふやけてくる。

接合部分を外すとき、水分と熱を加えればはずれるので修理が容易になる。

これを漆でがちがちに接着してしまうと、材料が分離しにくくなる。

 

帯のサイズ直し

帯があまりにもきついので、切って同じ材質の金属を継ぎ足して、ロウ付けしました。

これをしっかり磨けばいい。

指輪のサイズ直しを参考にしました。

うまくいきました。

帯の素材が真鍮なので継ぎ目部分の銀ロウが銀色になっているが、

銀製の帯なら継ぎ目の境はほぼ分からないだろう。

電気コンロを作りました。

大きさは15p程。

6角の一辺は約8p。

ちゃんと蓋も有ります。

六角形の入れ物は100均(ダイソー)で調達。

 

2つの箱をひっつけています。

中に小さい電気コンロ(150w)を入れて出来上がり。

 

1時間程で出来ました。

左は以前作ったもの。

300wの電気コンロが入ってます。

蓋部分に空き缶の蓋を入れ込み、コンロが熱々の状態でも蓋が出来るようになってます。

笙の桐箱を作りました。

桐といっても南洋桐・ファルカタ材ですが。

 

初めて作ったにしてはかっちり出来ていると思います。

誰もほめてくれないので・・・・。

 

何の芸もないただの箱ですが、

見てください見事(?)なアラレ組を。

職人技(?)が光っています!?

預かった笙の言の屏上の金具が無いので作ることにした。

ついでに乙穴の金具が腐食して指触りが悪いので替えることにした。

銀板に線を付ける。

 今回は0.4mmの950銀板を使った。

銀板の上にのっているのと同じ物を作ろう。

4つの部品から出来ている。

この穴あけが結構大変。

竹に差し込まれる部分。

フラックスをつけ、銀ロウ(三分ロウ)をのせる。

ロウ着け成功。

バーナーの火加減が難しい。

ええ調子で炎を当てていると銀ロウどころか 本体も溶けてしまう。

これを天板となる銀板にロウ着け。

表面のロウ付けに使う銀ロウは3分ロウを使った。

2,3分ロウは銀の含有率が高く、融点は高いが美しくできる。

7分ロウあたりの銀ロウでは融点が低く作業しやすいが、接合部分が黒っぽくなる。

 

 

銀ロウがすーっと流れてくれれば一種の快感を覚える。

 

これに彫刻、研磨を行う。

ここからが大変なのだが、もとある銀金具の彫刻があまり手の込んだ物では

ないため簡単に出来ると思う。

乙穴金具。 まずパイプを作りそれを穴に差し込みロウ着けする。

これを綺麗に成形、研磨する。

出来上がり。

元からある金具は周囲が黒く変色している。

新しく作った金具も いぶし液に漬けると同じようになるのだが、

せっかく銀色に輝いているのでそのままにしておこう。

 

元は真鍮のはと目がついていたけれど腐食し、指に引っかった。

このような楽器をたまに見る。

左上(言)が今回着けた金具です。 

 

頭完成には時間がかかるな・・・

 

鏡の虫食い写真です。

水牛の角に見られる 「かつおぶしむし」 の食害。

蝋が詰められてありました。

 

篳篥の管箱を作ってみました。

まだ完成していませんが・・・・

材料は黒檀です。ずっしりと重みがあります。

リードを差し込んだまま入れられる長さがあります。

これに漆をかけ、内張りをします。

箱の要部分に銀の留め金を入れたいのですが、これはどうしょう・・・。

 

今回は寄木づくりで作りました。この方法だと簡単です。

接着は膠(にかわ)を使いました。

次回は1本物のくり抜きで作ってみたいです。

 

 

知人の桜樺巻きの笛。黒い糸で修理されてあったのを預かリました。

桜樺(桜皮)が手に入ったので修理することになりました。

 

糸を取ってみるとこんな感じ。

 

それにしてもこの笛の桜樺はパリパリ。ポキポキと折れるのだ。

樺巻きの笛は籐巻きの笛に比べると値段にして10万程違ってくるが、

実際強度の面からみるとどちらが強いのだろうか。

こんなにパリパリでは用を足してないのではなかろうかと思うくらいだ。

この笛の樺だけがそうなのでしょうか?

 

 

桜の樹皮を細く刻んでそれを1本ずつ卵白でひっつけていき、紐にする。

これは大変な仕事だ。樺巻きの笛が籐巻きのものに比べると高いのも分かるわ!!

 

樺を巻いてみました。

 

しかし20センチ程のものを継いで継いで1本の紐にするのだが、

強度の上から見るとこれは考え物ですね。籐では継ぎ目なしで1m程の紐が取れ、

ましてや籐は植物繊維上最強の強さがある(ほんと??)というのだから。

籐か樺かどっち!!

原材料の価格からみると籐の方が断然に安い。

しかし樺もどえらい高いものでもない。田舎にいけば山桜なんて沢山生えている。

強度は? 籐の方が強いような気がするが・・・・?

(誰か調べて下さいまし)

見た目は? これは樺でしょう。透き通るような深みのある赤茶色。

籐は上の漆が禿げてくると白くなり、いかにも禿げているという感じになるけれど、

樺はいつまでたっても美しい色を保っている。

押田先生の著書 『雅楽への招待』 には

樺は湿ると縮み、籐は膨張すると記されているが、これは本当だろうか?

これもどなたか調べてみてください。

 

和紙でくるんだ鉛の棒を入れ、先端に蜜蝋を流し、

 

水で濡らした和紙を突き堅め壁とする。

 

それに蜜蝋を流す。

 

赤い錦をまとった栓をして出来上がり。

この栓を作るのが結構大変でした。

 

 

娘用に熊さんを象った蝉 熊蝉(クマゼミ)

熊蝉が飽きたら普通の蝉に削れるよう大きめに作りました。

 

この蝉の向きが問題なのです。

龍笛はこの蝉のある方を管頭とか首(雅楽辞典)とか呼んでいますが、

管頭部分は先の方が根元の方で、蝉部分は本来、竹の枝が写真でいえば

右から左へ伸びています。頭部分は脚部分であるのです。

ですから写真の熊蝉は写真のように付けたのですが、

実際笛は吹き口の方が頭で、右指の方が尻(尾)ですから

なんか熊が逆さ向いているような気もします。

まあ遊びですからね・・・・。

 

まだ手を加えたい所がありますが、一応完成としておきましょう。

この笛は以前からの作りかけの笛です。

音は? 一応よく鳴りますが、プラカンに負けてます。

他の管は勝ってる!?と思いますが完成に至ってません。

 

頭に麻布で布着せ(ぬのきせ)。

 

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