4月13日に どうやら孵化したようだ。予定より三日遅れ。
巣箱をあけると微かにピヨピヨの鳴き声が聞こえるが、
雛の姿は見えない。手を入れようとすると親鳥は威嚇する。
◆
16日親子揃って巣箱から出てきた。
雛は黄色と黒の2羽。ピヨピヨと親鳥の後をつけ回している。
この時期のヒヨコのかわいらしさは格別である。
親鳥2羽で2羽のヒヨコを育てるということになってしまった。
親がいないうちに巣箱を調べると12個あった卵が10個に。
赤玉が4個、白玉が6個。雛は2羽とも黒チャボの子供だ。
白玉は未受精卵が3個、残りは何らかの原因で抱卵途中に死んだようだ。
またもや親鳥が抱卵を放棄してしまった。
巣箱に戻ろうとしない。前回と同じだ。
これだから一度に孵化しなきゃ困るのである。
親鳥たちは雛鳥の世話でそれどころじゃないみたいだ。
しかし、そうなろうかと思ってロバは発砲スチロールの箱に電気あんかを
入れただけの簡易孵卵器を用意していたのである。
残る卵をすべて孵卵器の中に移した。
卵をよくよく見ると赤玉2個に小さな割れ目が入っている。
孵化が始まっているようだ
しばらくそのままにしておいたが一向に割れ目が大きくならないので
ロバが卵の殻を丁寧にとってやった。
(この作業あまり気持ちのいいものではない) *危険です
すると中から全身濡れた真っ黒なヒヨコが出てきた。腹のところに
何かへその緒みたいのがついている。とりあえず孵化成功である。(16日)
しかし、不思議だね。あの卵が3週間ほどでこんなヒヨコになるなんて。
ロバはテレビでは何度も孵化のシーンは見たことはあるけれど、実際見るのは初めてだ。
不思議、不思議.....。
残りは、無精卵と思われるものは捨て、可能性のある卵を継続して暖めることにした。
雛の嘴の上には卵の中にある卵殻幕を破るための小さな突起が
付いている。これで内側から卵殻幕や殻を破るのだ。
しかしこれらの雛をどうしょうか?
親鳥のところに今更もっていくわけにはいかないし。
子供達に育てさそう。
◆
困った事が起こった。黒チャボが黒いヒヨコをいじめだした。
執拗につつきまわすのである。挙げ句の果てには
茶チャボまでを攻撃しだした。かなり神経質になっており
このままにしておくとヒヨコが殺されてしまうと思い
黒チャボを隔離した。これが功を奏してか鶏小屋は平穏になった。
◆
孵卵器で孵った2羽は2日間程そのままにしておいて
羽毛が乾き、足腰がしっかりしたところで試しに茶チャボのもとに
連れて行ってやったら、なんと茶チャボは世話をし始めた。
茶チャボは性格が穏やかで合計4羽のヒヨコの面倒をよくみる。
◆
孵卵器の中のからピイピイ鳴き声がするので見てみると、卵に穴があき、
中から黄色のヒヨコが一生懸命外に出てこようとしている。今回はそのままにしておいたら
夕方無事に外に出てきた。元気のいいヒヨコである。(18日)
しかし、あんなええ加減な孵卵器でよく孵化できたなと思う。
▲孵化後15時間後のヒヨコ まだ足腰がしっかりしていない
羽毛が完全にふわふわ状態になるには24時間はかかる
◆
孵化したての雛を扱う上で気を付けなければいけない事は
雛は孵化後、目に映る [ 自分より大きな 動く物 ] を自分の親だと認識してしまうことである。
かわいいからと、いい調子で雛をさわっていては人間の手を自分の親と思いこみ、
母鳥のもとに返しても後を付いて行かなくなる。
雛鳥は餌を食べるとき以外は、大体母鳥の羽の中に潜り込んでいる。
◆
昨日孵化した黄色のヒヨコを茶チャボのもとに返してやった。
さすが子育て名鶏、ちゃんと面倒を見てくれる。雛鳥は合計5羽になった。
◆
以上うまく事が進んでいっているように思うが困ったことがあるのだ。
夕方になるとこの茶チャボは巣箱に入って眠る。普通なら
雛は親鳥の後をついて巣箱に一緒に入るのだが
孵卵器で孵化し後から親鳥に戻した3羽の雛は「すり込み」が弱いせいか
この時は親鳥の後を付いていかない。時には雄の足もとにいたりする。
そしていつも箱の外で取り残されて「ピヨピヨ」と大泣きしている。
ちょうど迷子になった子供が泣いているのと同じだ。
そこでいつも家の者がその迷子の3羽を捕まえて
巣箱を開け母鳥の羽の下に入れてやるのである。
まったく世話の焼けるヒヨコ達だが、雛にさわれるのはこの時ぐらいだと娘達は大喜びしている。
孵卵器には後3個の卵が残っているが、どうもだめらしく捨てることにした。
◆
雄鳥が巣箱の中で寝るようになった。それまでは止まり木の上だったのに。
おかげですべての雛が巣箱に入るようになった。
雄のしろ君も子育てに参加しているようだ。
◆
▲三羽ガラス
▲最後(4月18日)に孵化した雛 まだしっぽが生えてません
▲▼孵化後約20日 小さなしっぽが生えています