笙吹きロバの
笙の調律コーナー
(2018.7 更新)
音の名前 |
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千(せん) | 下無(しもむ) | F#6 |
十(じゅう) | 双調(そうじょう) | G5 |
下(げ) | 下無(しもむ) | F#5 |
乙(おつ) | 平調(ひょうじょう) | E5 |
工(く) | 上無(かみむ) | C#5 |
美(び) | 鳧鐘(ふしょう) | G#5 |
一(いち) | 盤渉(ばんしき) | B4 |
八(はち) | 平調(ひょうじょう) | E5 |
也(や) | −−−− | −− |
言(ごん) | 上無(かみむ) | C#6 |
七(しち) | 盤渉(ばんしき) | B5 |
行(ぎょう) | 黄鐘(おうしき) | A5 |
上(じょう) | 壱越(いちこつ) | D6 |
凢(ぼう) | 壱越(いちこつ) | D5 |
乞(こつ) | 黄鐘(おうしき) | A4 |
毛(もう) | −−−− | −− |
比(ひ) | 神仙(しんせん) | C6 |
音の高い順 |
千八上言比七彳美十下乙凢工一乞 |
調律を始める前に |
* 用意する道具は 調律用・ロウ付け用のコテ、蜜蝋、おもり、電気コンロ(それに該当する物)、音叉かチューナー * チューナーと楽器を直接結び、楽器の振動を直接マイクで拾う コンタクト マイクロホン(KORG CM−100)があればとても便利です。隣でやかましい篳篥が吹いていても調律できます。 * 前項の「洗い替え」 の「大まかな調律」で、ある程度合わしておけば後々の調律が楽です。 * 「空鳴り、方音」を直しておく必要があります。 * 調律の前に必ず笙を暖めておき、調律の合間合間にも暖め、常に笙の頭(かしら)が熱を持っているようにします。 * この調律で失敗しロウを流し、それがリードの振動部分に回り込んだりしますと、「洗い替え」の最初からやり直す事になりますので細心の注意が必要です。
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参考:蜜蝋の作り方
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基本:リードの振動面にロウのおもりをつけ、そのつけ加減で音を変える。
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同じ量のロウでも付ける位置で変わってくる (なるべく先の方に付ける事)
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だめな例
左側の様にロウを振動面いっぱいに付けても構わないが ロウを切り溝に流がしてしまう危険性が大であるので、右側のように少し隙間を開けておく。(この作業は洗い替えの時にやっておく) |
調律方法 |
チューナー(KORG OT−120)を使って ●KORG オーケストラル・チューナー OT−120、OT−12 を使って
*OT−12 でも 同様に設定 *現在 MT−1200 は 廃盤になっています
AUTOモード にして それぞれの音が、目盛りのど真ん中(±0)にくるように調律する。 * くわしい使用法は取扱説明書を見てください。
* MT−1200 の方が使い勝手がいい。目的の音をボタン1つで出せる。 多機能。 OT-120 は 使い勝手は悪い。 A=黄鐘、E=平調 ・・・と覚えておかねばならない。慣れるまで時間がかかるが、小型軽量、高感度でバッテリー持ちもいい。
上記設定 (5A) は (5C) でも 笙調律において結果は同じです
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スマホアプリに こんなのがあります ! 有料ですが・・・500円程
▲周波数ジェネレーター 無料
ios Cleartune - Chomatic Tuner
実際に使ってみましたが(アンドロイド版) 感度もいいし、セント、Hz 表示もできオススメです。 設定は 上記チューナーと同じく A=430 、ピタゴラス に設定します。 |
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音叉を使って
平調の音叉で 乙八 を合わし その 乙 より 乞彳 を合わす (両方の音が完全にうなりが無くなるまで合わす) この要領で2つの音を次々と合わせていく(笙の調律法 雅楽観賞(押田良久著)よりを参照) = は 同音(オクターブ)、 / ・ | は 和音
乙 = 八 / \ 一 = 七 乞 = 彳 | | 千 = 下 凢 = 上 | | 言 = 工 十 | | 美 比
最後に 乙八七一 七一下千 行乞乙八 工美 十比 が綺麗な和音になっていればよい。
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チューナー(KORG MT−1200)を使って TEMPERAMENT 9 [プログラマブル(オクターブ)] にて調律 ・ TEMPERAMENT を 9 [ プログラマブル (オクターブ) ] に設定。 ・ A〜G までの NOTEスイッチ で それぞれの 音名を選び、音律が平均律を基準に 何セント高いか低いかをUP 、DOWN スイッチで設定する。 くわしい使用法は取り扱い説明書を見てください。 ピタゴラス音律が平均律に比べ何セントの差があるかの音律データーは 下記参照。
* OT-120、12 にはこの機能はありません。
*早稲田大学の名誉教授で工学博士であられるある先生より MT−1200 (製造時期の異なる3個) を デジタルカウンターで 正確に ピュタゴラス(C)の 周波数を測定した結果 C、D、G、G# が少し低めであった。 そこで (音律に プラス1セントを加える) C(比) −6 の代わりに −5、 D( 凢、上) −2 の代わりに −1、 G(十) −4 の代わりに −3、 G#(美) 10 の代わりに 11 TEMP 9 [ プログラマブル (オクターブ) ]で 補正値を入れて設定したらいい とのメールを頂きました。 ちなみに 最新の OT−12 は 正確な周波数である とのことです。
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注意 |
* 笙は吹いても吸っても同じ音が出るのが理想ですが、現実は若干の差がある事が多い。これはリードの切り方等にも問題があると思われる。この場合どこを基準にしたらよいか問題です。 ロバは吹く音、吸う音の中間に合わす事が多い。あまり誤差が有りすぎるときはリードを交換する必要がある。 *笙は音を一度合わせておけば狂わないと思っている人がおりますが、厳密に言えば朝合わしても夕方にはどれかが狂っているものです。青石が飛んだりして音は狂います。 *チューナーでの調律方は、どうしても音を目で合わしがちでありますが、耳で聞いて合っていなければなりません。チューナーの指針も見る角度によって差がでます。
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参考 |
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笙の調律法 雅楽観賞(押田良久著)より
雅楽の宮音(基音)は壱越であるが、笙の調律をするときは平調を基準にしている。これは平調を中心にして調律をするのが最も好都合であるからである。
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三分損益法(さんぶんそんえきほう) 新訂標準音楽辞典より 中国の音律算定法。三分損一(そんいつ)法と三分益一(えきいつ)法とを交互に行なって、律管の管長を算出する方法。三分損−法とは、律管の管長を3等分して、その1を取り去り、もとの管長の3分の2の長さの律管を作り、つぎの律を求める法で、与えられた律から完全5度高い律を求めることである。三分益一法は、3等分したその1の長さをもとの長さに加え、3分の4の長さの律管を作り、つぎの律を求める法で、与えられた律の完全4度低い律を求める法のことである。ギリシアのピュタゴラスの算定法とまったく同じ結果になる。中国では、すべて三分損益法で,五世声(ごせい)、七声(しちせい)、十二律(じゅうにりつ)を算出する。日本でも雅楽では理論上これを用いる。また、順八逆六法(じゅんぱちぎゃくろくほう)というものがあるが、原理はまったく同じである。五声の算出法を示すと、主音を宮(きゅう)とし、三分損一して徴(ち)、徴を三分損一して商(しょう)、商を三分損一して羽(う)、羽を三分益一して角(かく)を得る。これらを音の高さの順に並べて、宮商角徴羽の五声を得る。さらに三分損益法を続けて七声を得る。十二律は基音の黄鐘(こうしょう)の管長を三分益損して求める。
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音律データー (C調、単位 cent) MT−1200 取扱説明書より
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ピタゴラス C調 を A調に 転調すると (MT−1200 取扱説明書 参考)
A の基準ピッチが ±0 になるよう全体に 6cent を加えると
5C と 5A の違いは ▲の音だけであるが 笙では (断金、勝絶、鸞鏡) の音は使わないので 実際の調律において 5C のままでよい。 ただし チューナーから音を出して 唱歌をするとき 勝絶の音に注意。
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倍音:一つの発音体が発する音は一般に複数の成分音(部分音)の集合として成り立ち,そのうち最も振動数が少なく,楽音の音高(音の高さ)を決定する音を基本音,これより振動数の多い音を上音という。倍音は,基本音の2倍の振動数のものがそのオクターブ上,3倍はその5度上,4倍は2オクターブ上,5倍はその長3度上といったぐあいに生じ,・・・、各楽器の音色を決定する大きな要素となる。 『百科事典マイペディアの解説』
ある音の周波数成分 ▲倍音を見ることの出来るアプリ Sound Analyzer [android版]
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平均律:一オクターブの間を一二個の半音に等分して構成した楽律。純正律に対して音程や和音が幾分不純であるが、一二種の音によってあらゆる転調を処理できる便利さのため、近世音楽発達の基となった。(広辞苑) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
セント(CENT):12平均律においての2音間の音程を数学的に表示する単位。1オクターブを
1200等分し,その単位をセントと名づけた。 1オクターブは 1200セント、12平均率の半音は 100セント。 |
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