笙の蜜蝋(ミツロウ)を作ろう!

 

笙の修理、調律で使うロウを作ってみよう。

ここで言う蜜蝋とは 蜜蝋 と 松脂の混合物です。

竜笛にも使われています。

 

ロバの雑記帳

 

用意するもの

 

蜜蝋(みつろう)

ミツバチの体から分泌されるロウで、巣の材料となっている。これを精製して作られたロウ。採取する場所、季節によって色が違う。

薄い茶色、乳白色をしている。

 

薬局等に売っているかも。

写真は東急ハンズのもの。

松脂(まつやに)

松の木から分泌されるヤニ。 薬局等に売っているかも。

写真は東急ハンズのもの。

その他 電気コンロ、空き缶  

 

 

作り方

 

缶にロウをいれ電気コンロでとかす。

ロウと同量の松脂をいれよくかき混ぜる。

アメ色になるまで超弱火で炊く。数日間。

     ←ロバが使っているもの

 

注意:

決して沸騰させない。引火して危険。

煙(蒸気)が上がらない程度の熱で炊く。

缶の蓋(ふた)をしたまま炊くと危険 かつ 固まった時蓋が取れなくなるので注意。

余り長時間炊くと炭化してくる。

かなり臭いので家の中での作業はヒンシュクものです。

夏場はロウを多めに、冬場は松脂を多めにされる方もいる。

 夏場  松脂が多ければネバネバ。

 冬場  ロウが多ければパサパサ。

ネバネバだと楽器や手につく。 パサパサだと剥がれやすい。

 

普通の調律程度であれば、1回作れば 一生足りるでしょう。楽器店で出来合いのものを買うほうがいいかもね!

 

 

おもりの作り方   調律用に用いるおもり

 

鉛を溶かして、それに灰を入れ、綿でかきまはしてから、つめたく冷やして粒子をつくり、・・・。  『雅楽』 多忠龍著 より

 

ロバは東急ハンズで買った鉛玉を使っている。直径が0.3mm〜1mm程。 結構重宝している。 

 

 

釣り道具の重りを ヤスリで削って粉にする。 

 

 

砂鉄を用いる。   磁石をもって砂場に行けばすぐに採れる。

 

 

何故 鉛を使うの?

身近で安価な金属の中で 鉛は もっとも比重が高い。  鉛の重りを使わず蜜蝋だけだと ロウで山盛りになってしまうからです。

  参考: 比重

  金 19.3  鉛 11.4   銅 8.9   鉄 7.8   アルミ 2.7   水 1      蜜蝋  約0.9

 

ただ 鉛は有毒なので 手軽な重りとして 砂鉄がいい。  単なる鉄粉は洗え替えの時、赤錆がでるので不可です。 


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